Source:FLIR.com
はじめに
私の生業は土木の@fwhx5296ことShigeです。
デジタルガジェットと土木の融合!近い将来、現場でもiPhoneが必需品になるかも
以前といってもかなり前になりますが、一応土木技術者である私はこんな記事をエントリーしました。
建設業界にもIT化が進む!iPhone片手にこれからの土木技術者を目指す方へ!それ以外の方にも! | ツインズパパの徒然日記 Ver.2
日進月歩のデジタル化が土木業界にも押し寄せ、IT化が進んでいます。
設計・積算・CAD・GIS等アナログからデジタルへと移行し、以前に比べると格段に緻密性や迅速性が高められました。
緻密化された故に、無意味に細かい数字まで求められたり、余分な資料を提出させられたりという弊害も出てきました。
IT化を進めるほど事務所のパソコンに向かう時間が増え、現場を見る時間が削られてしまう──。従来型のITによる業務効率化が、かえって別の負担を増やしている皮肉に、現場からは困惑の声が聞こえる。
以前は上記のような声もありましたが、スマートフォンやタブレットなどのガジェット類が高性能化している現在は、ブロードバンドなど大容量データを高速で無線通信環境の恩恵もあり、いちいち事務所に帰らずとも殆どの業務をその場で済ませてしまうことができます。
以上を踏まえ、こちらのエントリーを見て、土木業界にも使えるのではと思いました。
ハイテク過ぎるiPhoneケース「FLIR ONE」を使えば暗闇なんて怖くない! – iPhone女史
まずは動画を見てみましょう。
こちらがサイトです。
FLIR ONE™ personal thermal imager by FLIR® – See the Heat
iPhoneケースである本体裏面に付いた赤外線カメラで被写体を撮影すると、その画像をサーモグラフィ化して画面に表示するというもの。
非接触型で暗闇でも、直視できなくても温度差で表示できます。
例えば、サイトで紹介されているのは
▼電子回路の不具合部を温度差で見分ける
▼体温計を嫌がる子供の体温が正常かどうか非接触で簡単に計測できる
▼敷地内に不審者がいないかどうか監視カメラ的に使うなど
いろんな方法が紹介されています。(Pic Source:FLIR.com)
私的にこれを土木に応用すれば、もっと活躍の場が増えるのではないかと思いました。
今現在でも同じような技術はありますが、比較的高価な機械なので個人レベルでは準備が難しい状況です。
よって、いつも手元にあるiPhoneで測定し概略判定ができれば、迅速なリスク回避で大事に至らないのではないかと思いました。
例えば、以下の例があります。(専門的になってすみません)
- 建築での壁仕上げ材の浮き(はく離)調査
- 植生のり面の湧水箇所調査
- 吹付けのり面の老朽化調査
- 橋梁床版のコンクリート浮き(はく離)調査
- トンネル覆工コンクリートの浮き(はく離)調査
- 連続繊維補強材の施工不良調査
- 住宅の断熱性能の評価
簡単に説明しますと、
1番目の「建築での壁仕上げ材の浮き(はく離)調査」は
建物のまわりに張り付けてあるタイルが剥がれかかってないかを調査するものです。高所からタイルが落ちてきて人にあたったら大事故に繋がります。
2番目の「植生のり面の湧水箇所調査」は
のり面(山を削って斜面にした面)から水が湧いて出ているということは、そこから滑って土砂が崩れてくる恐れがあります。規模にもよりますが、人だけでなく自動車をも巻き込む恐れもあります。
3番目の「吹付けのり面の老朽化調査」は
のり面にモルタル(水+セメント+砂)を吹き付けて固めたものが剥げかかっていないか、ひび割れていないか、水が湧いていないかを調査するものです。最悪山が崩れることもあり得ます。
4番目の「橋梁床版のコンクリート浮き(はく離)調査」は
コンクリート製の橋の床部分が浮いていないか、剥げかかっていないかを調査するものです。鉄筋が腐って内部からコンクリートを浮かせているのが主な原因で、コンクリート片が落ちて人や車にあたる恐れがあります。
5番目の「トンネル覆工コンクリートの浮き(はく離)調査」は
上の例と一緒で、コンクリート片が落ちて人や車に当たれば大事故に繋がります。
6番目の「連続繊維補強材の施工不良調査」は
コンクリートが老朽化して、浮きや剥がれそうになったものを丈夫な炭素繊維などでコンクリート表面を固めてしまうものです。しかし、たまに接着剤が正確に配合されていなかったり施工不良でぴったり橋に張り付いていなかったりすることを確認する調査です。
7番目の「住宅の断熱性能の評価」は
現在ではほとんど見られませんが、個人住宅で手抜き工事(材料費を浮かせるためなど)で断熱材を入れなかったり、入れても規定量に達していなかったりする場合がありました。また断熱材のカタログ値が実際に確保できているか否かということも調査対象になります。
おわりに
撮影したサーモグラフィーは当然画像として保存できるでしょうから、汎用性は高いですね。
そんな非接触型のサーモグラフィーケースのお値段は$350(本日現在で日本円にして3万5360円w)
軍が使用出来るほど高性能なケース「FLIR ONE」は今年の春から初夏に発売予定とのことです。
欲しいなぁ。
充電機能があるのかどうかというところも気になるところですが(;・∀・)
1954年から1973年の高度経済成長期に築造された橋やトンネルが老朽化し、寿命を迎えようとしている今、どのように延命化あるいは改築するかが大きな課題となっています。
自宅の近くにも老朽化して危ない橋やトンネルがあるかもしれません。
それを短時間で簡単に測定することができるのです。
そうiPhoneならね。
コメントはこちら